【役員インタビューvol.21】社長に聞く!2022年の総括とサンリーグループのこれから
新会社設立やグループ化するなど、さまざまな変化があったサンリーグループ。今期をふり返って印象的だったことや進められたこと、そしてまた次の1年に向けての目標などを社長にじっくりとお聞きしました!
(プロフィール)
小林 和晃(Kobayashi Kazuaki)
サンリー・ホールディングス代表取締役社長/採用責任者。高校卒業後、大工としてキャリアをスタート。創業者である会長と共にサンリーグループを牽引。
多くのことが動き出し、ビジョンが明確になったこの1年
ーー総括ということで、まずは今期をふり返って印象的だったことをお聞かせいただけますか。
小林社長:一言で言うなら「動」ですね。全てが動き出した年だったと思います。
ーー動き出したと言うと、具体的にはどのような部分でしょうか?
小林社長:サンリーハウスができて、グループ化してホールディングスになったこと、それを皮切りに止まることなく、人事配置や店舗展開、金沢店をオープンしたことなどが大きな動きですね。また、4月頃から大事にしている価値観を社員や公に打ち出していったことも、大きな一歩だと思っています。
ーーメッセージを伝える場として、朝礼や決起会なども行っておられますよね。
小林社長:そうですね、今まで不明確だったところを一個ずつ打ち出して、理念の共感、考え方の部分を非常に大事にしたいと考えています。”やり方”ではなく”あり方”を追求してきた年だったということですね。
ーー社員の皆さんの仕事ぶりで印象に残っていることはありますか?
小林社長:金沢店をオープンしたことで、メンバーそれぞれが責任を担い、より当事者意識を持って動いてくれたのが非常に大きなところだと思います。
ーー自分の責務に対する意識がより強まってきたと。
小林社長:その意識の変化はあったと思います。今までは任せっきりだったところ、わたしの反省点でもあるのですが、任せっきりではなくて、きちんとフィードバックしながら一緒に作り上げていくというスタンスを半年かけて築いてきたという感じですね。
ーースタンスを築いたその後は、どんなところに力を入れていきたいとお考えですか?
小林社長:価値観や考えの部分は、この半年でかなりドライブをかけて伝えてきたので、この後は少しずつ量を抑えます。わたしもあふれんばかりのものをもっともっと伝えたいんですけど(笑)、次はその抑えた部分が空くので、そこに実の部分、営業であれば提案のロープレなどを行い、フィードバックして、といったところに力を入れていきたいです。総括としてふり返ると「動」ですが、本当に色々な動きがあったので、社員の皆からすると、嵐に巻き込まれたような、いきなり洪水がきたような感覚だったと思います。「みんなでつかまれー、ふんばれー」という感じですよね。
ーー嵐をあえて起こして、次の1年で皆さんがどう変わっていくかということですね。
小林社長:価値観や考えは皆の頭の中に入ったと思っていますので、あとは実践です。目標を達成し続けるためには、まずインプットがないといけないので。それがないと、ハンドルがない車みたいなもので、どこにいくかわからない。インプットの必要性を明確にしてきた半年だと思います。
自己開示し、メンバー同士のつながりを強めながら自己実現を
ーー人員の動きも大きな変化だったと思いますが、新メンバーにはどんなことを期待していますか?
小林社長:求めることは1つ。「自己実現をしてほしい」ということです。自分自身を見つめて、結果を出し続けてほしい。そこだけです、期待しているのは。
ーー今度の大きな社内研修の具体的な内容を教えてください。
小林社長:まずは自己を振り返ります。そして、チームとしてメンバーのことを知る。自己発表や自己開示もあるので、自己開示したくない方にとっては苦痛でしかない。ただ、自己開示していかないと、真の協力、メンバーの助けは生まれないので。
ーー全体の朝礼でも、何人かの方が皆の前で話す機会がありましたが。
小林社長:全体朝礼では、自己開示というよりはその方の思いを話してもらっています。その方の価値観を皆に共有するということですね。聞く側には、そういう考えもあったのかといった感じで受け取ってもらって。
ーー自分の考えを皆にシェアする機会になっているんですね。
小林社長:その通りです。8月から始めたクリーン活動も重要な場です。地域貢献活動として清掃や草刈りを行っています。これも気づきの一環なんですよね。
ーークリーン活動も自己開示につながるということでしょうか。
小林社長:当社の判断基準は、フィロソフィーを土台に「利他の精神」です。自分のことは一旦置いといて周りに尽くす。できそうで、なかなかできないことです。人間は煩悩が働いて、欲望や怒り、嫉妬など、隣の芝が青く見えてしまうんですよね。そういったことを一旦無にして、ゴミを拾う、気づきの場を得る。ここにも落ちていた、ここにも落ちていた。自分の罪も拾うということです。スッキリして、そしてゴミ箱に自分の罪も一緒に捨てると。
ーー参加された社員の皆さんから、感想などは聞かれましたか?
小林社長:周りの地域住民の方から「ありがとうね」とお礼の言葉をいただいたとか、交番のお巡りさんから「ご苦労さん」と声をかけられたとか、気持ちがスッキリしたという声もありましたね。
登山なら準備段階。地盤を固めたら頂上へ着実に進むだけ
ーー「動」の1年ということでしたが、社長の中では今、全体像として何年計画の何合目なのでしょうか?
小林社長:何合目という話にすると、まだ準備段階ですね。山に登る前の体づくり。道具も装備しないといけない。今やっとストレッチをして、高い山なのでツルハシがいるとか、非常用具も必要だよ、という価値観を共有している段階ですね。
ーー登りながら道具を装備していると、スピード感に欠けることもありますし。
小林社長:おっしゃる通りです。無計画は失敗を計画しているのと一緒なので、やはり計画を立てて進むのが非常に重要なんですね。
ーーまだストレッチの段階というのは、かなり驚きでした!
小林社長:ガイドさんから説明を受けている段階です。入念に準備をすれば、実際に動き始めると早い。これでもかという装備を積むことで、登り始めるとスムーズに頂上まで行けます。同じ装備、同じ考えを共有していても、開始数分で息切れする方もいるかもしれません。それはそれで、その方のステージなので。一旦ストレッチしていこうか、また登る機会があるから下山しようかとか、そういうことですよね。わたしもまだ頂上まで行っていないので。そのやり方を知っているというだけです。
ーー組織としては、山を登る準備としてまだ必要な装備があるんでしょうか?
小林社長:必要なパーツは順々に装備されていくと思います。今重要なことは、現在ある事業領域で地域で真っ先に頼られる会社になることですね。「まずは、サンリーに電話しておけばいいんじゃないか」と言われるような。
ーーまずは地域で欠かせない存在になるということですね。
小林社長:先日、「隣の土地を購入して、一戸建てを建てたいので土地の売買を手伝ってほしい」という問い合わせがありました。当社では、家を建てる話から「資金がないから実家を売りたい」「じゃあ買い取れますよ、仲介できますよ」という話まで、全てまとめて進められます。その領域を拡大して、地域で拡張していきたいですね。
ーー山を登る前の段階ということを受けて、これからのサンリーグループの目標、展望についてはいかがでしょうか?
小林社長:「住環境の提供領域で最も必要とされる企業グループを目指す」ことが最大のビジョン、遠い山の頂上ですね。目指すべきところです。
ーーその実現のために今やるべきことは、どんなことでしょうか?
小林社長:目先で言えば、理念共感や自己実現できるような関わりですね。最近人事制度も大幅に変えました。待遇や対価も与えられるものではなく、つかみ取るものになるんだと。じゃあ「仕組みを作ったからつかみ取ってね」ではなく、自分で成長しないとそれはつかめない。成長度合いを見て、さらに成長できるようにこちらも関わり続ける必要があります。その関わりを濃くしていきたい、というのが次のステージですね。
ーー次がしっかりと登り出すための年になるというわけですね。
小林社長:チームで助け合うためにそれぞれ役割があって、テントを張るにしても全員で張った方が早く終わりますし、一人でできないことを組織でやるために会社があるので、次はそこを地固めする段階だと思います。次は「関わりきる」という年かなと。結局、関わらないと目標達成できないんですよ。目標達成できないと自己実現できない。自己実現できないと昇給もしないし給料も上がらない。それは本人が原因だけではなく、関わりきれてないわたしや上長が原因であるかもしれない。そこを言い訳にせず関わりきることが重要になってくるかなと。ですので、人と人との関わりはより深くなっていくと思います。色んな取り組みもしたいと思っているので。
ーー深く関わっていくために自己開示が必要ですし、信頼関係なくしては、苦難に立ち向かうことも難しい。そのためのこの半年だったのかなとお話を聞いていて思いました。今日はありがとうございました!
VISION