今日は建設現場に突撃!現場監督のお仕事や、職人さんとの信頼関係の築き方について伺います。最後はスペシャルゲストで職人さんにもインタビュー!普段の田中さんについても聞いちゃいます!

(プロフィール)
田中 友規(Tanaka Yuki)
石川高専の建築学科を卒業後、施工管理会社に就職。2015年にサンリーホームに転職し、建物管理建築部で主任チームリーダーを務めたのち2021年秋の事業拡大を機にサンリーハウスへ異動。セミオーダー住宅事業を統括する工事長となる。

内装・外装は同時進行。ムダない動きでどんどん建てよう。

――今日はサンリーハウスの建設現場にお邪魔し、現場監督の仕事についてお伺いします。まずこちらは今、モデルハウスを建てているのでしょうか?それとも注文住宅ですか?

田中さん:どちらでもなく、建売の分譲住宅です!

―ーなるほど、設計士のこれまでの経験と知恵を詰め込んだ、サンリーハウスとっておきの分譲住宅ですね!素人目にかなり出来上がってきているようにも見えるのですが、ほとんど完成間近ですか?

田中さん:そうですね。外側に関しては、外壁を貼り終わったので、これから隙間を埋めるためのコーキングをして雨樋をつけたら終わりです。

――へぇ〜、ワクワクします!外側が完成してから内側に手をつけていくのでしょうか?

田中さん:いえ、同時進行です。基礎を作って躯体を立ち上げたら、あとは外と中を同時に。内装でいえば、これから壁紙のクロスを貼るためのボードをまずは貼って、それからクロスを貼っていく作業になります。

――同時進行が可能なんですね。ちなみにこの住宅のコンセプトはどんなものですか?

田中さん:注文住宅ではないのでものすごく個性的な部分はありませんが、当社のベーシックな分譲のコンセプトを詰め込んだものになっています。たとえばファミリークロークなどの収納の良さ、家事動線の良さは魅力の一つです。

 

デスクワークが意外と多め?現場監督の仕事とは。

――改めてですが、そもそも現場監督って何をするお仕事なんでしょうか?

田中さん:工程の管理と、費用の管理が最大の仕事です。それから安全面に気をつけたり、設備に不具合がないかをチェックしたり。あとは会社にもよりますが、設計と施工が分かれている会社だと、設計会社とのやりとりも現場監督がおこないます。当社は設計も施工もワンストップでやっているので、会社の中でのやりとりになりますね。

――すべてが予定通りに進んでいるかを管理する、というイメージですね。

田中さん:そうですね。予定通り、且つ、設計者の意図通りに建物が完成していっているか。

――1日のスケジュールをざっくりでいいので教えてもらえますか?

田中さん:朝はデスクワークから始まります。自分が管理している現場で、その日までに終わっているべき工程がきちんと完了しているかをシステム上でチェックします。また色々な業者さんからメールが来ているので、確認し、発注物があれば発注。大体それを1時間くらいで終えて、そこからはひたすら次の現場の準備に入ります。工程表をつくり、見積もりを作成し、確認申請のための図面を書くことも。検査があって自分が立ち会う必要があれば現場に行きます。

――意外なくらいデスクワーク中心というか、現場に行かないんですね。世間一般のイメージでは、半々くらいだと思われている気もするんですが。田中さんの感覚では、監督は一切現場に出なくても良くなるのが理想ですか?

田中さん:うーん、システムでできることはどんどんシステムに移行できたら良いですけど、それでも現場に出るか出ないかは、受け持っている物件数と人員体制によるかなと思います。というのも、どれだけシステムが発達しても検査には立ち会わないといけません。私が今現場にあまり出ないのは、基本的には若い子たちがその検査に立ち会ってくれているから。その人員と仕事量が変わればまた理想のバランスも変わるかなと思います。

――ちなみに今は何棟くらいを同時進行で建てているのでしょうか。

田中さん: 10棟くらいです。これがもし30棟同時進行になると、若い子たちにも監督業務を数棟ずつ渡していかないと回らなくなるでしょうし、少しずつそうできるようにトレーニングしています。まずは小さなことでも自分で判断できるようになるように。

 

どれだけシステムが発達しても、「信頼」だけは手作りで。

――多くの職人さんや、建築に関わる会社を取りまとめる責任をもつ現場監督として、工夫している点はどんなところですか。

田中さん:先ほど申し上げたように、確認作業の効率化は一番気をつけています。できるだけシステム上で網羅的に確認。ただ、北陸は天気が悪いので、何のトラブルがなくても天候で工事が進まないということがよくあるんですよ。それから職人さんたちは当社以外の物件も建てているので、そっちの現場が遅れているから当社への乗り込みも遅れるということも。そういうポイントで予定が前後するところは、システムではなく私みたいな立場の人間が調整するようにしています。

――自動でできるところはして、田中さんは自動化できないところに集中して、と。

田中さん:はい。また、事前準備も非常に大切です。やりとりが煩雑になる時って、結局、事前に準備した資料がわかりにくいから現場から問い合わせがきている場合がほとんどなので。だったらわからないことが最初から無いように、工事が始まる前にしっかりと。

――職人さんとの信頼関係も大事なんでしょうね。さっき、「田中っち!」って職人さんに呼ばれていて、あぁ仲がいいんだなと思いました。

田中さん:そうですね(笑)。若い子たちもまずは現場に出て、職人さんから聞かれたことに一つ一つ答えられるようになっていくことで、信頼されていくと思います。現場に来なきゃわからないことってたくさんあるので、私たちに限らずいろんな人が見にきます。こないだはプレカット屋さんの女性も見にきていましたよ。

――プレカット?

田中さん:木材を、現場に運び込む前に事前に切っておいてくれる会社です。現場で大工さんが切るものもあれば、プレカット屋で事前に切ってから持ってくるものもあるんです。

――へぇ〜、初めて聞きました、プレカット。いろんな人が出入りする現場だから、新人はまず「誰が何をしているか」を覚える必要がありそうですね。ではここでゲストに登場してもらいましょう。田中さんと一緒にお仕事をしている職人さんです!こんにちは、はじめまして。早速ですが田中さんの働きぶりはいかがでしょうか?

職人さん:働きぶり?悪くないよ!(笑)最近はコロナでなかなかご飯も食べに行けんけど。

――あら、一緒にご飯を食べにいくようなこともあるんですね!

職人さん:そう!仕事はいい感じでやってます。 お互いに相談しながら、仕事が良い方向に行くように。

――田中さん以外のサンリーハウスの社員とも交流はありますか?

職人さん:はい、お世話しとるよ!建具の収まりを説明したりね。

田中さん:社員は現場の職人さんに教わることが多いんですよ。

――現物を見ながら教えてもらえる、一番の勉強の機会なんでしょうね。

職人さん:建具に関してだけじゃなくて、段取りや、作業の順番なんかもですね。でも私たち職人が社員さんたちに教えられることもありますよ。お互い様なんです。だからコミュニケーションが大事。

――ベースにこういう人間同士の親密さがあってこそ、システムなどを用いた効率化が活きているんだろうなと。逆に人間同士が信頼していなかったらどんなシステムを入れてもうまくいかないのかもしれないな、となんとなく感じました。お二人とも、今日はありがとうございました!