【役員インタビューvol.3】生き方が、経営になる。社長の人物像からひも解く、サンリーホームの「人格」。
お待たせしました、いよいよSunRi’s Careerに社長の登場です!初回は社長の人物像に迫ります。女性として、母として、何より「自分の責任で生きていく」と決めた一人の人間として、その生き方や価値観はどのように理念経営を開花させていったのか?社員も知らない(?)社長の半生をじっくりお聞きしてきました。
小林 絹代(Kobayashi Kinuyo)
代表取締役社長。実業家の父のもとに生まれる。結婚・離婚を経験し、金沢の不動産会社に勤務したのち2007年に独立。サンリーホームを創業する。人生のモットーは「念ずれば花開く」。
急成長は想定外!?社長として、そして一人の母としての覚悟。
――社長にご登場いただくということで、ぜひ社長の言葉で企業理念やビジョンのお話をお聞きしたいのですが、初回である今回はまず社長の半生や創業の経緯を伺いたいなと。そうすることで、理念もより深く理解できるのではないかなと思った次第です。さっそくですが、もともと社長は不動産会社で働かれていたんですよね。
小林社長:そうですね、13年くらい勤務していました。それ以前も、ホテルの受付や会計事務所などいろんな場所で働いてはきたのですが、それらと比較しても不動産業界でお客様とお話をしながら進める仕事が自分には合っている実感がありました。ただ、異動がよくある会社でしたので、40代前半頃からあちこち場所を変えながら働くことにだんだんとつらさを感じ始め、このまま続けるよりはいっそ独立して自分で会社を経営していく方が良いのではないかと考えるようになりました。
――――独立を勧める周囲の声みたいなのもありましたか?
小林社長:はい。むしろ周囲の声のほうが、私の意思よりも前からありました。家主さんから「この物件をあなたが管理してくれないか」と仰っていただくとか、あとは、父ですね。私が独立した当時にはもう亡くなっていましたが、生前は自分でいろいろと商売をしていて、その中に不動産業もあったんですよ。そもそも私に不動産業界に入るよう勧めていたのも父ですし、「自分で会社をやってみたらどうか?」とも時折言われていました。そのときは「いやいや独立なんて」と拒否していたのですが、状況が変わる中で、独立が選択肢に入り、そういう言葉にも背中を押された感じです。
――――いざ独立するときは、どんな会社にしようと考えていましたか?
小林社長:はっきり言えるのは、独立を決めた当初はこんなに大きくするつもりはなかったということです(笑)。自分ひとりが食べていければいい、と気楽に考えていました。ですので始めは個人事業でスタートしました。当時、このあたり(かほく市エリア)にはアパートがとても少なくて、そんな地域で創業した当社も、最初はアパート数棟しか管理していませんでしたし。大きくなんてできそうもないわと。
――――それが今では社員も事業も増えているわけで、そこのターニングポイントは何だったんでしょう?
小林社長:事業についてはお客様のご要望に沿って増やしてきた側面があるので、お客様の声のひとつひとつがターニングポイントなんでしょうけど、意識という面であればきっかけは息子です。息子、つまり専務が「自分も会社を手伝う」と入ってきて、だったらもっと頑張って会社を盤石なものにしないと、と。そこから私の意識も変わりました。
商売は、人と人。性別のハンデを上回った、個人としての信用力。
――――不動産って、業界的に男性のほうが活躍しやすいイメージがあるんですが、社長は女性として長くこの業界におられて率直にどう感じますか?
小林社長:昔は男性優位なイメージもありましたね……最近はそうでもないですが。先ほど、父に独立を勧められても拒否していたと言いましたが、正直「女性には無理」と思っていたのも理由のひとつなんです。会社をやり始めた最初の頃なんてとくに、女性だからと軽んじられたり、こちらが一生懸命話をしていても話を聞いてもらえなかったり。お取引の金額が大きければ大きいほど、やはりそういうことはあったかと思います。ただ初めはそういう苦労をしても、やはり商売は「人と人」なんで、情熱をもって話すことによって仕事として男女関係なく少しずつ信用もされるし、仕事にもなっていくという手ごたえがあったんですね。
――手ごたえが積もり積もると、自信になりますよね。
小林社長:そうですね。独立後に関して言えば、息子がいたお陰で意識は大分変わりました。息子が頑張ってくれている、後継ぎがいるっていうのは、精神的にも、知見を広げる意味でも大きかったと思います。あとお客様から見ても、女性一人じゃなくて、脇で息子が頑張っているというのが印象にプラスに働いて、成功に導いてくれた面もあるのかもしれません。
――「子供と働く」ということの難しさは感じますか?
小林社長:親子でも考えが大きく異なる場合は難しいんでしょうけど、案外うちは考えが近く、何より二人ともものすごくポジティブなので、「これやろう!」「いいね!」って物事がどんどん前に進みますね。まぁ専務が私以上にポジティブなので、たまに手綱を引っ張らないといけないところはあります(笑)。
不動産の躍進は、その街の躍進になる。
――挑戦と変革を大事にしているサンリーホーム。ここ最近の「挑戦」「変革」にあたるトピックはありますか??
小林社長:毎年挑戦の連続ですが、今年についても、デザイナーさんのお力を借りて現代のセンスにマッチしたロゴにつくりなおしたり、社用車のデザインを一新したり、ホームページを見やすくしたりと、広報にあたることを少しずつ変えています。また、管理物件が石川全域に広がっていることに合わせて、営業を常駐させる店舗の展開も進めています。たとえば加賀の物件に入居するのに、かほく市の本店まで契約のためにお越しいただくのは申し訳ないので……。どのお客様にとってもアクセスが良く、相談しやすい不動産会社にしていきたいですね。
――それだけ毎年いろいろな挑戦をしていると、中には「やろうとしたけれど、できなかった」ことや、「やったが、結果うまくいかなかった」こともあったりするのでは??
小林社長:結果的にできなければ、「まだ想いが足りないんだ、強い想いじゃないんじゃないか」と思いますね。私は、「念ずれば花開く」という言葉がすごく好きなんです。だから自分の強い想いがあれば、本当になんでも実現できるんじゃないかなって。すごくポジティブなんですよね。
――専務も好きな言葉に「念ずれば花開く」を挙げられていました。ところで、「行動を起こす」方面で聞けば、すぐにいろいろ出てくるサンリーホームですが、逆に「こういうことは絶対にしない」と決めていることはありますか?
小林社長:お客様に信頼されないこと、ですね。裏切ることは絶対できませんから。お客様というのは、お付き合いのある業者さんもお客様ですし、社員だって私からすればお客様です。そうした方々との約束を守る、特にお金の問題が起きると信用を裏切ることになりますから、支払の期限を守ることをはじめお金関連のことはとくに大事にしています。
――最後に、さまざまな困難を乗り越えても、「この会社をやっていて良かった!」と思う瞬間についてお聞かせください。?
小林社長:いちばんは、社員が明るく楽しく働いている姿を見たときですね。自主的に、イキイキと活発に、そして何よりポジティブに働いてくれているのを感じるたびに、そういう職場づくりに努めてきて良かったなと思います。また、先ほども申し上げたように、かほく市は十数年前までは決して明るく開けた町ではなかったんです。そこを、「お客様に喜ばれることを」という一心でアパート建築や造成を進め、土地や建物を増やすことによって、少しずつですけど開けてきたんじゃないかなという自負はあります。町を車で移動していても、あ、雰囲気が変わってきたな、新しいものが増えて来たなと感じます。私たちがお客様のご要望を少しずつ叶えながら、そして地域に密着しながら事業を進めてきたことがこの地域の活性化につながり、希望の持てる会社だと思ってもらえたなら、この上なくうれしく思います!
VISION